自社の魅力を語れ

 現在の日本企業の多くは株主に対する還元を重視し始めているが、今後持合株式が解消されるにつれ、持合株主にかわり、企業価値を正当に評価してくれる投資家を探すことも重要になっている。

 日本企業は海外に販路を開拓し、ローカル企業と信頼感を築き、世界中でビジネスを展開してきた。ところが同じ日本企業は、海外の投資家との関係は金融機関任せであることも多かったとも言われている。IRに力を入れている企業も増加しているが、海外IRなどを通じて相性のいい投資家に会って、自社の魅力を理解してもらうことが必要になりつつある。

 もちろん、企業人自体が自分の言葉で投資家と議論できる必要があり、コミュニケーション能力の高度化は課題だろう。「本音を言う海外投資家に会うのを嫌がる」という風潮がないわけでもないと聞くが、これまでは日本語が通じるので、日本の企業と持合いをしてきた企業も多いように見受けられる。日本企業の中にグローバル企業が多いだけに「もったいない」こともある。海外投資家に対しても自らの将来性を語り、世界中でファン増やせるという可能性を追求する時であろう。

グローバルな企業市民を目指して

 コーポレート・ガバナンスを追求していくのは、企業が本当にあるべき企業像に向かっていくためである。そうであれば、コーポレートガバナンス・コードは、今一度みずからの立ち位置、レゾンデートルなどを確認するよい機会を与えてくれるだろう。

 同コードが最大の目的として掲げる持続的な企業価値向上をどう考えるか。5年後10年後にどういう企業であって、どのようにして収益を上げているのか、ビジョンはあるだろうか。人口減少や技術の変化、という大きなうねりの中で、立ち位置を失わないだろうか。 こうした問題を、取締役会で議論を重ねていく必要があるだろう。

 こうした視点に立てば、日本企業が直面する課題も自ずと明らかになる。国際的なレピュテーションは持続可能性を考える場合に見落としてはならない問題だ。しかし、日本は、たとえば国連の自由権規約委員会から改善を求められている指摘事項がたくさんある。