特別な根拠はなくとも、自分がやるべきことや仕事の意義を直感的に確信できることはないだろうか。そのときは、やる気に満ち溢れた状態で毎日を過ごすことができる。だが、そうした期間は長く続かず、一度失われてしまうと、インスピレーションはなかなか降りてこない。ただし、待っているだけでは状況は変わらない。本記事では、インスピレーションが湧いてくる環境づくりに有効な、4つの方法が示される。
インスピレーションを受けているときは、仕事がはかどる。目的意識があり、自分の才能を有益に利用していると感じて、気分も上がる。自分でなくてはできないことをしているのだ。
ところが、気がつくとインスピレーションは消えている。上司からのネガティブなコメントにへこんだせいかもしれないし、ある課題に気乗りがしなかったせいかもしれない。
インスピレーションはイヤになってしまうくらい逃げ足が速く、なくなるとすぐには戻ってこない。たとえ運よく大好きな仕事に就いていたとしても、仕事へのワクワク感を努力して掘り起こさないといけない期間は、うんざりするほど長い。
このインスピレーション喪失という難局に立つエグゼクティブを、私はこれまでに何度もコーチングしてきた。たいていの人は、その原因を把握しようと四苦八苦している。会社が原因か、それとも状況のせいか。あるいは、自分に原因があるのだろうか。
心理学者のトッド・スラッシュとアンドリュー・エリオットは、数十年にわたって、インスピレーションについて研究を続けている。彼らによれば、インスピレーションを受けているときには、3つの特徴が現れる。まず、新たな可能性を見いだせる。次に、外からの影響を受け入れる力がある。そして活力にあふれ、モチベーションが高い。
幸いにも、インスピレーションは静的な精神状態ではなく、磨きをかけることが可能なプロセスだ。無理やりインスピレーションを受けることはできないが、インスピレーションにつながる環境をつくることはできる。
私のクライアントたちの役に立った方法を、以下に紹介しよう。