アントレプレナーという言葉を初めて提示したのは、フランスの経済学者リチャード・キャンティロンが1755年に刊行した書籍とされる。そして、おそらく近代経営学に最も影響を及ぼしているのは、「イノベーションの父」と呼ばれる経済学者ジョセフ・シュンペーターの定義だ。彼の定義から見えるのは、アントレプレナーシップ=起業家精神ではないということだ。その視点を踏まえると、いまアントレプレナーシップ領域で起きている大きな変化が読み取れる。今回は、アントレプレナーシップがなぜさまざまな領域で求められるのかを論じる。