●次の仕事を確保してから辞めるべきか

 次の仕事が決まるまでは辞めるべきではない、と主張する専門家もいる。アドバイスとしては適切だが、いつも実行できるとは限らない。特に、万策尽きて追い詰められている時には難しい。

 経済的状況が許せば、しばらくの間は仕事をしないことにして(期間については現実的に考えること)、このアドバイスに逆らってもよいだろう。

 クラマンは、先のことがはっきりわからなくても、仕事を辞めても構わない状況を2つ挙げている。1つは、職場で違法行為や倫理にもとる事態が生じていることで自分の信用まで傷つきそうな場合、もう1つは、いまの仕事が健康や仕事以外の生活に悪影響を与えている場合だ。

 ただし、退職届を提出する前に計画をまとめておくことを、クラマンは勧める。いつ、どのようにして退職するか(詳しくは後述する)、誰に推薦状を書いてもらえそうか、そして何より重要なこととして、退職理由を会社にどう説明するかを考えておく。

 ●最初に誰に話をすべきか

 辞める決心がついたら、最初に上司に伝える。すでに親しい同僚の何人かに相談したかもしれないが、秘密を厳守してくれると100%信用できる相手でなければ、話してはいけない。

 退職理由を説明する前に、上司はすでに他から聞いていたというのはよくない。たとえ上司との関係が険悪でも、未来の雇用者がその上司に連絡を取り、あなたについて照会をかける可能性があることを忘れないようにしたい。円満に退社するのが何よりだ。

 ベストセラー作家でCEOコーチのロン・カルッチは、退職すると決めたら、できるだけ早く上司に告げるべきだと言う。

「ただでさえストレスの多いチーム環境をさらに悪化させたくないがために、退職意向を伝えるのを先延ばししたくなるかもしれない」と、彼は書いている。

「だが、それは誰のためにもならない。もし、前に進むのが自分にとって最善だと判断したなら、上司に知らせるのを遅らせても、精神面・感情面の健康をさらに脅かすだけだ。(中略)ここは、正直に対応するのがよい。上司のほとんどは、辞表を出すならできるだけ余裕を持ってほしいと思っている」

 カルッチはまた、退職を単刀直入に切り出す方法として、次のような伝え方を例に挙げている。「熟考の末、私にとって、いまがキャリアの次のステップに進むべき時だと判断しました。今日は、互いにとって、できる限り円滑に引き継ぎを進める方法を話し合いたいと思っています」