●最後の数週間でやるべきことは何か

 退職届を提出した後は、主に2つの目標がある。プロジェクトや役割を円滑に引き継ぐこと、そして今後も連絡を取り続けたいと思う同僚との関係を確固たるものにすることだ。

 自分の仕事を誰かに引き継ぐことは、後任の採用を手助けすることかもしれないし、同僚にプロジェクトを引き渡すことかもしれない。誰にどのプロジェクトを任せるべきか、上司と一緒に整理する。あなたの提案は役に立つかもしれないが、最終決定は上司に委ねよう。

 レベッカ・ナイトが言うように、これは「残された日数をどう使うのが最善か、あなたの仕事をどのように締めくくるべきかを上司とともに探る」共同作業であるべきだ。会社を去っても、元上司と同僚には、あなたのことを思慮深く、プロフェッショナルとしての意識の高い人だったと記憶しておいてもらいたい。

 また、残りの時間の一部は、同僚との交流にも使いたい。ランチやお茶に出かけ、今後も連絡を取り合いたいと明確に伝える。そして、これまでの機会や学んだことに感謝を示す。直属の上司やメンター、親しい同僚に個人的な礼状を出すのもよいだろう。そうすれば、よい印象を残すことができるはずだ。

 ●連絡を取り合う

 次の段階に移行したら、新たに必要な関係を築くことにすべてのエネルギーを注ぐことになる。だが、元同僚との連絡も絶やさないようにしたい。

「信頼のおける友人、同僚、アドバイスをくれる人とのネットワークを温めておくことだ」と、コンサルタントのジョディ・グリックマンは助言する。「よい仕事をしたこと、本物の有意義な人間関係を築いたこと、貴重なスキルセットを身に付けたこと。そうした経験を、まるで自分の人生にその時期が存在しなかったかのように捨て去るべきではない」

 実を言うと、筆者はインターネット上に多数アップされている「辞めてやる!」動画が大好きだ。たいていは、不当な扱いをされていた従業員が辞表を叩きつけて、ドラマチックに去っていくという筋書きだ。

 だが、正直に言えば、どのポジションを去るにしても、それは賢いやり方ではない。誰でも、最終的には自分にとって最善の道を行きたいものだ。だからこそ、ポジティブな雰囲気で会社を去ることで、移行を円滑に進め、将来のネットワークを活かすこともできる。


"How to Quit Your Job: An HBR Guide," HBR.org, August 09, 2021.