1. 変化を受け入れる。これはおそらく最も難しい。費用対効果の計算は、投資した場合と現状を維持した場合との比較であってはならない。この点を理解することが重要だ。比較すべきは、投資した場合と、何もしなければどんな結果が必然なのか、である。後者は往々にして、利益率および販売数量の低下と、顧客ニーズの変化を意味する。

 2. イノベーションによる付加価値の本質を理解する。イノベーションが、成長と利益率の両方にどう関連するのかを示す必要がある。つまり、バズワードに囚われず、デジタル・トランスフォーメーションや破壊的変化が実際に何をもたらすのかを見極めるのだ。そしてプラットフォームとエコシステムに関与することのメリット、AIを活用するメリット、メタバースに早期参入することの潜在的メリット、顧客とより適切につながるためにゲーミフィケーションを導入するメリットを理解しなければならない。

 3. 新しいプラットフォームやエコシステムでは、支配しようとしたり、オーケストレーターを目指したりして、過剰投資のリスクを冒すのではなく、よきパートナーまたは補完者になるという、より穏当な戦略を展開することもできる。そして、入念に考え抜いた価値提案のポートフォリオが必要となる。プラス面だけを基準にせず、投資に伴うリスクと影響の大きさも考慮すべきだ。

 企業にとっての課題は、世界が変化していることである。新しく付加価値を生む方法こそが、成功の源泉になるだろう。ただし、目の前のインフレを手っ取り早く解決する方法はなく、流動性の低下と資本コストの上昇がより厳しい監視を招く中、戦略的優先事項の見直しが期待される。

 そこで必要となるのは、付加価値の源泉は何か、それはなぜ口先だけのセールス技術よりも多くの価値を生むのかについて、理にかなった根拠を立てる能力だ。現実に根差し、企業の長期的展望に結び付いた、まっとうな戦略立案を行う時代が到来した。そのことを歓迎し、真剣に取り組むべきである。


"Adjusting Your Strategy in a Tight Market," HBR.org, June 30, 2022.