誰もが「ほめられたい」と思っているのか

 筆者らが世界の1万2000人以上を対象に、レコグニションの実施とどのようにほめられるのが好みかを尋ねたところ、33%の人が「レコグニションを受けるのが嫌い」と回答した。

 ただし筆者らの見立てでは、これは多くの場合、ニュアンスの問題だ。仮に質問の文言が「あなたは自身の功績について感謝されるのが好きですか」であれば、回答者のほぼ全員が「はい」と答えたのではないだろうか。「感謝」という言葉には、派手な演出とは無縁の、より穏やかで個人的なニュアンスがあり、感謝されて嬉しくない人はまずいない。

 多くの人にとってレコグニションとは、会議の席で名前を呼ばれ、何らかの功績について公然とほめられることを意味する。スポットライトを浴びるようなイメージがあり、注目を浴びることを恥ずかしいと感じるのかもしれない。

 性格によるものであれ、育った文化の影響であれ、人前で特別扱いされることを不快に感じる人は一定数いる。言い換えれば、彼らはレコグニションの「伝え方」に抵抗があるだけで、その根底にある感謝のメッセージが嫌なわけではない。

レコグニションを積極的に実施するリーダーの特徴

 筆者らは658人のリーダーを対象に、レコグニションの実施と受け取りに関するデータを用いた別の分析も行った。

 513人のリーダーがレコグニションを実施したいと強く願っている一方、145人はその行為に抵抗を感じていた。

 そこで、このデータをマネジャーや同僚、直属の部下などからの360度フィードバックの評価と照らし合わせたところ、レコグニションを実施する傾向があるリーダーは、以下の点でも優れていると受け止められていることが分かった。

・コラボレーションとチームワーク
・他者からのフィードバックへのオープンな姿勢
・人間関係の構築
・刺激と動機付け

レコグニションを実施するためのヒント

 よりよい形でレコグニションを実施するためには、レコグニションの中身そのものと、それを伝える際の言い方や状況の両面に注目する必要がある。

 ●中身を改善する

・一般的な「よかったよ」という声がけよりも、具体的な感謝の言葉のほうがずっと強力だ。具体的な出来事や行動と、それがあなたやチーム、組織、あるいは顧客に与えた影響を言葉で表現しよう。そうすることで、その人の功績の重要性がより強調される。

・同僚からのフィードバックもありがたいものだが、大半の人にとって直属の上司からのレコグニションが最も大きな意味を持つ。

・結果を認めてほめることは重要だが、よい結果につながった「行動」を評価することも重要だ。結果は個人の力で左右できない場合もあるが、粘り強さや努力、創造性は自分でコントロールできるものであり、それらも同様にレコグニションに値する。

 ●伝え方を改善する

・公の場で特別扱いされることが恥ずかしいと感じる人も多い。内輪で個人的に称賛されるほうがよいという感覚も尊重されるべきだ。

・メモやカード類は喜ばれやすい。そのような記念品を何十年も大切に保管している人もいる。

・適切なタイミングでレコグニションを実施することが重要だ。ほめるべき行動の直後であるほど、より高く評価されたと受け止められる。

・レコグニションの頻度を高めることで、ほめるスキルを向上させる機会も増える。さらに、相手は次第にあなたからの感謝の言葉に慣れるため、より気楽にほめ言葉を伝えられるようになる。