最高のリーダーは、対立を和らげる以上のことができる。すなわち、関係を維持して会話を建設的にするのに役立つような発言をして、緊張の瞬間を深いつながりをつくる機会に変えるのだ。

 たとえば、パートナーシップの再建(「私たちならきっと解決できます」)や、貢献の承認(「君は明らかに多くの仕事をこなしています」)や、専門性の評価(「クライアントに関する君のインサイトにはいつも感謝しています」)といった形を取ることができる。

 意見の対立は人間関係に影響を与えるものではなく、重要なのは最善の解決策を見つけることだと同僚たちに素早く伝えることがコツだ。

 人間関係を構築するための発言は、正しく使えば、人間関係の火種を消す以上のことを実現する。すなわちコラボレーションを促進し、感謝を示し、貢献者が評価されていると感じるようにするための、会話における重要なツールになるのだ。

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 職場での友情は、あまりにも長い間、偶然に任されてきた。だが、研究は明確なことを示している。同僚の間につながりがあると、生産性が向上し、離職率が下がり、チームワークが促進される。つまり好成績を上げるチームを生み出すパワフルなツールなのだ。しかしながら、十分に活用されていないのが現状だ。

 幸いなことに、従業員の間に友人関係を育むために、リーダーは多くのことができる。緊密なつながりの科学から得たインサイトを活用して、絆やチームワーク、生産的なコラボレーションを促進すれば、どのようなリーダーもチームの共感欲求を満たし、パフォーマンスを高めることができるのだ。


"High-Performing Teams Don't Leave Relationships to Chance," HBR.org, September 14, 2022.