それでも、いくつかの能力については、訓練と支援だけでは十分に向上させられない場合がある。

 マイクロソフトのAEとして、デジタルネイティブのスタートアップに営業をかけなければならない場合を考えてみるとよいだろう。その仕事で実際に成果を出すには、CoEが作成したレポートから得られる情報だけでなく、スタートアップの変わりゆくテクノロジーニーズを理解する必要がある。このような能力は、経験や見習い制度を通じて、時間をかけて磨かれていくものだ。

 営業職の求人情報には、全体に共通して、あるテーマがはっきりと表れている。それは、営業組織が、経験と未来志向の能力の両方を求めていることだ。新規採用者の多くは、企業文化も働き方も異なる会社から転職してくる。ということは、新しい営業担当者のオンボーディングや受け入れには、かなりの文化変容が必要になる。

 セールスフォースでは、新規採用者は1週間にわたって「ビカミング・セールスフォース」プログラムに参加する。これには、エグゼクティブとのカジュアルな会話や自社の価値観に重点を置いたブレイクアウトセッションが含まれる。また、新規採用者は「チャター」と呼ばれる社内コラボレーションツールを使って、経験豊かな成績優秀者をフォローし、ベストプラクティスを習ぶことができる。

 このような戦略を駆使して、営業職の採用から能力開発プログラム、見習い制度、支援の仕組みまでを、5つの未来志向の能力と合致させることで、営業組織はデジタル時代の成功軌道に乗ることができるはずだ。


"5 Skills Every Salesperson Needs to Succeed," HBR.org, September 19, 2022.