強力なデジタルプレゼンスはウェブサイトだけではない

 潜在的なソリューションをリサーチする際、多くのバイヤーはさまざまなデジタルソースを活用する。ベンダーのウェブサイト以外にも、業界誌、ガートナーなどの業界インフルエンサー、レビューサイトを利用している。

 好んで利用するソースは業界によって異なる。たとえば、テクノロジー製品のバイヤーは、他の業界よりも検討段階でウェビナーに頼る。液化天然ガス施設用に設計されたコンプレッサーのように、よりカスタマイズされた製品の場合は、ウェビナーがあまり役に立たない。

デモとトライアルが取引の成否を左右する

 デモは、バイヤーが検討段階において最も広く利用するソースの一つだが、ベンダーはデモへの投資が不十分だ。最終的に選んだベンダーは、デモやトライアルで他を上回っていたと回答者の約72%が答えている。

 あるバイヤーは、「通信業界で最終的に選んだベンダーは、当社のエコシステムにおけるソリューションのエンド・トゥ・エンドの実現可能性を示していました」と述べたのに対し、次点に終わったベンダーは、デモのトライアル期間に「製品ラインの限界を露呈しました」と述べた。

 バイヤーは、現在の製品だけでなく次世代製品も評価する。そのため、魅力的な製品ビジョンとロードマップは、バイヤーに大きな印象を与える。テクノロジー業界のバイヤーは、「ロードマップを見るのは、製品の開発計画がきちんと立てられているかを確認するためです」と話した。「最近の脅威を理解し、製品に投資しているかどうかを私たちは見極めようとしています」

意思決定をしているのは誰かを理解する

 たいていのB2Bバイヤーは、社内の委員会を立ち上げることから始める。そのメンバーは意思決定に影響を与えるさまざまな役割を持つ。委員会は3つの層で構成されることが多い。意思決定を行う最終承認者、リサーチとプロセスを行う中核的な購買委員会、ベンダーや製品に関するコメントを提供するエンドユーザーなどの社内インフルエンサーだ。

 各層の影響力は購入プロセスを通じて変化するが、購買委員会は常に最も大きな影響力を持ち、ベンダーにとって最大の機会を提供する。ベンダーが最初にすべきは、3つの層それぞれのメンバーを特定することだ。マーケティングでは、各層の優先順位に合わせたコンテンツを提供する必要がある。最高財務責任者(CFO)には投資利益率(ROI)に焦点を当てたケーススタディが必要となり、プロダクトマネジャーには製品機能のケーススタディが必要だ。

 バイヤーが製品に関する情報を調べる上で、ベンダーのサイトやソーシャルメディアは容易に発見できるよう最適化されていなければならない。

 販売プロセスでは、たとえ相手が若手であっても、社内インフルエンサーを含めた購買委員会の関係者全員を考慮する必要がある。インフルエンサーが最も重要になるのは、バイヤーが大量のベンダーの中から最終評価のために一握りのベンダーに絞り込む時だ。セラーはデモの際、社内インフルエンサーを納得させる必要がある。すなわちセラーが売り込んでいる製品は、エンドユーザーのニーズをどれだけ満たしているか、社内インフルエンサーがデモの際に判断する可能性が最も高いからだ。

 バイヤーが何を重視し、どのように情報を収集し、「実際」どのように購買の決断をしているのかを理解しない限り、営業は成功しない。さらに、近年はバイヤーの行動が変化しており、より多くの人と、より多くのデジタルタッチポイントが意思決定に影響を及ぼしている。

 バイヤーがどのように情報を収集しているかを知ることで、企業は「最初のリスト」に入り、適切なインフルエンサーの信頼を獲得し、デモを成功させ、顧客を獲得・拡大する可能性を高めることができる。


"What B2Bs Need to Know About Their Buyers," HBR.org, September 20, 2022.