生活を前面に打ち出し、中心に据える
真の生活中心主義を採用する企業は、出始めたばかりであり、それがもたらす恩恵も、ようやく生じ始めたところだ。
2022年7月と8月、筆者らは世界のエグゼクティブ850人と彼らの企業を調査し、ライフセントリシティを実現している企業は、同業他社に比べて、はるかに優れている可能性が高いことを明らかにした。
詳しい分析結果は今後発表される予定だが、生活中心主義の企業はそうでない企業に比べて、年間成長率が平均9%ポイント高いことが示唆されている。これはつまり、成長率が900ベーシスポイント増えるということだ。
実際、ライフセントリシティで後れをとっている企業は、前年比で収益が減少する可能性が高いことも明らかになっている。100億ドル規模の企業の場合、5年後に年間収益が40億ドル増加するか、10億ドル減少するかの違いだ。また、筆者らの分析によれば、生活中心主義の企業はレジリエンスが高く、市場投入のスピードと顧客生涯価値(CLV)でも他社を大きく上回る。
顧客は急速に変化しているが、一部の大手企業も急激に変化を遂げている。リスクもあるが、恩恵もある。
結局のところ、企業は将来的なレレバンスを実現する方法を最適化することはできない。激動の時代に成功するために必要なクリエイティビティ、アジリティ、アダプティビティを可能にする生活中心主義のアプローチによって、その方法を発見しなければならないのだ。
謝辞:本稿の執筆に貢献してくれた、アクセンチュアのリサーチリードであるアグネータ・ビョルンシェとジョシュ・ベリンに謝意を表したい。
"Keeping Up with Customers' Increasingly Dynamic Needs," HBR.org, September 27, 2022.