政治的に立ち回る、他人に説教を垂れる、派閥が好き、命令と威嚇によって管理する、データ主義者だが勘ピュータで動く等々――。このような性質を持ち合わせながらも高業績を叩き出している社員が、どこの組織に必ずいる。これが「ボスザル社員」だ。これは概して男性に多く、とにかく自分の流儀を押し通す。それゆえ扱いが難しい。本稿では、彼らの長所を損なうことなく、短所を改善させるためのコーチング法を伝授する。

ほとんどのマネジャーや社員たちが、時間も足りなければ、資源にも人材にも乏しいとこぼす。一見正当に思えるこの発言を裏返すと、そこには、行動を起こすことへのためらいや恐れがうかがわれる。5年間にわたる数百人を超える管理者たちへのインタビューと観察調査の結果、このような「忙しがり屋病」を克服し、組織の目標と自分の目標を同時実現させるには3つの心得が有効であることがわかった。

目標を一つに絞り、まっしぐらに突き進むのも時にはいいかもしれない。ただし、それによって得られた成功は、はたして人生を満足させるものなのだろうか。うたかたではなく、色褪せることのない成功――。このような成功を体現している人は共通して、エネルギーの配分を適宜変えながら、複数の目標を着実に実現させている。「カレイドスコープ思考」と呼ぶ、成功のフレームワークを身につけるための心得と方法論を披露する。

いまやリーダー能力の開発は不可避の投資の一つである。しかしその多くが、通り一遍のプログラムに終始している。リーダー予備軍の個性や経験は無視され、むしろその可能性を閉ざしているのだ。その結果、彼らは目の前の壁を乗り越えられずにいる。これら予備軍は4タイプに分類でき、各々が独自の課題や機会があるという。各人の個性や経験を配慮し、コーチングとアクション・ラーニングによって、彼らのマネジメント能力を最大…

後継者選びは難しい。コカ・コーラしかり、マテルしかり、華々しいCEO交代劇が失敗に終わるケースが後を絶たない。サクセッション・マネジメントは、単に候補者の指名にとどまるものではない。リーダー層の育成計画を並行して進め、候補者の数を増やし、また多面的な実践経験を積ませることで初めて成功を収めるのである。本稿では、優れた後継者を安定的に輩出するための5原則を提示する。

ストレスを感じていないビジネスマンなどいない。にもかかわらず、効果的なストレス・マネジメントを習得している人となると、きわめて少ない。本稿では、100数社、5万人への調査をはじめ、さらには脳と心臓の生理学的な研究を踏まえた、ストレス・マネジメント・テクニックを紹介する。

いまやコンピュータは生活のすみずみに入り込み、人々の思考や習慣に大きな影響を与えている。さらには、ロボット・ペットの登場など、その影響は我々の感情にまで及んでいる。技術と人間のアイデンティティについて研究しているシェリー・タークルに、人間と機械との心理的・感情的な関わりについてさまざまな観点から聞いた。

知識集約型企業は多くのキャッシュを保有しておくべきだ。無形資産の価値は市場から評価されにくく、無形資産を形成するための投資リスクは容易にヘッジできないからだ。本稿では、無形資産に伴う投資が原因で財政難に陥る影響を算定し、最適な資本構成を具体化させる方法を提案する。

まだ反対の声はかまびすしいが、ストック・オプションを費用計上することは、論理的にも現実的にも広く採用されるべきだ。ここで紹介する会計処理方法を用いれば、ストック・オプションの見積もり価値に、社員へのインセンティブとオプション付与後の株価の動きの両方を反映できる。

ルーカスは、競走馬の世界であまたの記録を塗り替えてきた。ウマを全米各地のレースに転戦させるなど、そのやり方は従来の常識からすれば型破りなものだった。調教を一つのビジネスと考えるなら、彼の手法はまさに新しい「ビジネスモデル」といえる。“manage”と同じ語源を持つ、イタリア語の“maneggiare”には「馬を手なずけ、調教する」という意味がある。名調教師の「マネジメント」論に耳を傾けるのも価値があるのではないだろうか。

ドラッカーは、未来をかたちづくるのは、起業家たちが生み出す構想であると言う。起業家的な小さなアイデアが新規事業の萌芽となり、それが将来のニーズに応え、未来が形成されていくのだ。しかし、アイデアを支援する体制や価値観が失われると、イノベーションが生まれてこないばかりか、その果てには、組織の寿命も短くなっていく。未来を拓く構想にはリスクがつきものである。だからこそ、勇気、努力、信念が求められるのだ。