両親はコルゲートやリステリン、アイボリーの商品を買っていた。いまの自分も、いつの間にか同じような商品を手に取っていることに気づく――。二二歳のある女性モニターは、ありし日の思い出をこのように語る。定量的なマーケティング手法が見落としてきたものはいったい何だろうか。解釈的な定性調査を予備的なもの、伝統的な定量調査をより決定的なものと決めつける企業は消費者から遠ざかる一方である。マーケティングは、間…

「クチコミ」による宣伝効果がますますパワーアップしている。クチコミは、埋もれていた商品を世に出し、圧倒的な成功へと導く。噂やクチコミといった「バズ」の侮り難いパワーをうまく生かしたいならば、まず企業は、バズに関する五つの神話の呪縛を断ち切らなければならない。

必要な時に必要な場所で、顧客がインターネットにアクセスできる時代を迎え、ｅマーケティングの焦点は「コンテンツ」（情報）から「コンテクスト」（状況や顧客ニーズとの関連性）へと移っていく。

1940年代後半以降、異なる学問分野がハイブリッドに結びつき、新たな地平を開拓しようと動き始めた。そして70年代、近代合理性の否定を旨とするポストモダンというムーブメントが台頭する。80年代、その波はマーケティングの領域に押し寄せた。実際、モダン･マーケティングは現実の世界ではさまざまな壁や矛盾に直面していた。現在、ポストモダン・マーケティングはアカデミズムの世界を超えて実学の世界に浸透しつつあ…

ポストモダン・マーケティングへの警鐘ノースウェスタン大学 J・L・ケロッグ・スクール 教授ステファン・ブラウンとらえどころのないポストモダン消費者ウィスコンシン大学 マーケティング学部 教授クレイグ J．トンプソンポストモダン消費者の価値創造プロセスアリゾナ州立大学 教授A．フアット・フィラットポストモダン・アプローチの展開と構図慶應義塾大学 総合政策学部 助教授桑原武夫エクセレント・サービスに…

この2001年4月、ソニーの新たな機構改革が発表された。そのコンセプトは「分極と統合」。各事業ユニットをエンパワーすることでダイナミックな行動と創発を奨励する一方、各事業価値の総和以上に企業価値を高めるための「求心力」を発揮しようというものだ。出井伸之氏曰く「2005年には、ブロードバンド時代が本格化するだろう」。パラダイム転換期における、出井経営の時代認識をひも解きながら、その経営構想の輪郭を明らかにする。

マネジメントの権威やコンサルタントは口を揃えて、急進的な企業変革の重要性を語り、どんな企業もこれを避けては通れないと説く。ネスレのCEOはこれに異を唱える。 ゆっくり着実に進化しさえすれば、大変革とそれに伴う痛みを回避できるし、しかも競争に勝ち残ることが可能だと言うのだ。変革も急激な成長も不要であるとするその経営哲学とマネジメント手法に迫る。

ｅ関連の投資に際し、もっと厳密な検討が必要な時がきた。ｅビジネスにも「ポートフォリオ・マネジメント」という古典的な手法を採用するのである。 ただし、そのための評価項目を新たに考える必要がある。このポートフォリオを正しく活用すれば、各事業の将来性と実現性を判断できるようになり、大きなリターンを上げる可能性がはるかに高くなる。

どんな経営者やマネジャーでも「勘ピュータ経営」と言われれば、その顔をしかめることだろう。ところが、時代の先端を走る企業の経営者は、直感力の有効性を認め、おおいに活用している。これらのリーダーたちには、これまで経験したあらゆる失敗や成功のパターンが一つの合理的なシステムとして構築されているのである。本稿では、その優れた意思決定メカニズムを明らかにする。

オールド・エコノミーに封じ込められていた日本企業は、10年の雌伏を解いて競争力を再生するチャンスである。ニュー・エコノミーの原動力である三つのグローバル・フォースがもたらす新たな戦略空間。実際、ソニーや松下電器などは、この新たな戦略空間を駆使しながら、再生に向けた未知なる改革に歩を進めつつある。これまでの七回にわたるニュー・エコノミー戦略を総括し、企業競争力の再生に向けた具体的な戦略シナリオを提示する。