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K.I.T.虎ノ門大学院 三谷宏治 MBAプログラム 主任教授
東京大学理学部物理学科卒業。INSEAD MBA修了。ボストン コンサルティング グループ(BCG)、アクセンチュアを経て現職。アクセンチュアでは戦略グループ統括を務め、同グループの200人超への成長に貢献。その間、経営戦略コンサルタントとして、日本内外数十社のプロジェクトに関わる。著書に『戦略読書』(ダイヤモンド社)、『経営戦略全史』『ビジネスモデル全史』(ディスカヴァー21)、『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)、『お手伝い至上主義でいこう!』(プレジデント社)、『ルークの冒険』『親と子の「伝える技術」』(実務教育出版)など多数

 ビジネスパーソンにとって最適な“読書のポートフォリオ”をいかにつくるべきか――。DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー誌(以下DHBR)とK.I.T.虎ノ門大学院による経営理論セミナー「戦略読書のススメ」が2016年1月22日に開催され、同大学院・三谷宏治教授が昨年12月に上梓した『戦略読書』を題材に講演を行った。また第2部では、DHBR岩佐文夫編集長が三谷教授へ公開インタビューを実施した。セミナーの様子をリポートする。

宿題は「読書ポートフォリオ・
マトリクス」の作成

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班をつくって自分の「読書ポートフォリオ・マトリクス」(RPM)を互いに紹介

 三谷教授は、講義開始と同時に「受講者同士で班をつくってください」と指示。セミナーはグループでの演習からスタートした。

 受講者らは、宿題として各自が作ってきた、昨年1年間の「読書ポートフォリオ・マトリクス」(RPM)を題材に、振り返りと気づき、おすすめの1冊を発表し合った。

「読書ポートフォリオ・マトリクス」とは、『戦略読書』の中で紹介される読書法。横軸を【ビジネス系】、【非ビジネス系】、縦軸を【応用・新奇】、【基礎】とするマトリクス図をつくり、4つの領域にバランスよく分類・分配しながら読書を進めていくというもの。自分のオリジナリティを時間効率よく構築することが目的だ。

「読書ポートフォリオ・マトリクス」とは…

 ビジネス書しか読まないビジネスパーソンは多いが、それでは自分のオリジナリティが育たない。三谷教授自身、かつてBCGに学卒で入社した際、偏った読書のせいで同僚と発言がかぶり、しかも、月並みな意見しか出せなかったことにショックを受けたという。

 そこで、人と同じものを読んでいては「人と同じ反応をする凡庸なコンサルタント」になってしまうという危惧から、自分の独自性をつくりあげるための読書法を模索し始めた。以来、30年にわたり試行錯誤して積み上げてきた戦略読書法の一つが、「読書ポートフォリオ・マトリクス」というわけだ。

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