今後のマーケティングを考えていく上で、テクノロジーの活用とともに重要なのが外部データの活用だろう。特に、リアルタイムで捕捉する必要のある変動データだ。
例えば、自社のマーケティング活動にも直結する市況や天候のデータ、新しい自社ビジネス、商品に関連するソーシャルの評判など、リアルタイムで捕捉する必要のある変動データは自社内のデータだけではカバーできない。自社に有用な外部データを定義し、ビジネス目的と紐付けて実験的にテストマーケティングからその有用性を検証・活用していくことが望ましい。
マーケティングへの
アジャイルアプローチの適用
技術の進化に伴い顧客行動が変化し、企業のマーケティング活動の複雑性が加速する中、実践的な先進企業に学ぶエッセンス、共通項とは何だろうか?上述の全てのチャレンジを乗り越えていくのは、一足飛びにはできない。どのようなアプローチで先進企業は乗り越えつつあるのか?
それは、旧来からのビジネスの常道である定量的かつ多角的な事実の把握と、それを元に仮説立案・検証を実験的かつ高速に繰り返すPDCAサイクルの実践だ。特に、現代においては、マーケットスピードに即応したアジャイルアプローチの積極的適用が重要だと感じる。
(1)顧客分析による実態の把握を正確に行い、ビジネス上の課題の定量的な裏付けと新たな仮説立案を行う。中長期のビジネスゴールと短期ゴールの設定を分けて行い、目的志向で順次、収集データの拡張とデータ分析を実行。
(2)まずは手動でPDCAサイクルを回し、段階的に優先順位の高いビジネス課題から小さな成功を積み上げていく。そして、成功体験の社内認知度の向上を図ることで投資対効果の証明をしつつ、新しい施策の定着化を推進する。
(3)並行して、PDCAサイクルの高度化と効率化を実現し、上記チャレンジを乗り越えていくため、順次システム化を図る。
特に、アジャイルアプローチこそ、現在のテクノロジーと顧客行動に遅れをとっている企業のマーケティング活動においては重要なアプローチだ。競争の激しいリテール領域においてマーケットシェアの獲得と経験知の獲得は急務であり、チャレンジを乗り越えた企業は、競合に対する大きな競争優位性を手にするはずだ。
弊社でも、アジャイルアプローチでのマーケティングを支援するクラウドベースの「Customer Intelligence 360」を新規リリースしており、企業のマーケティング活動を支援していきたいと考えている。



