わが国コンサルティングファームの草分けとして1942年に発足した日本能率協会コンサルティング(JMAC)は、戦後の復興と高度経済成長を支えてきた。現在はアジア、欧州に4つの拠点を擁し、グローバルにサービスを展開。経営者や現場に密着したコンサルティングで企業に「芯の強い変革」を起こし、未来を切り拓いている。
熟練コンサルタントが
現場レベルに深く入り込む

シニア・コンサルタント
鈴木 亨氏
-戦前の発足から、その歴史は70年以上に及びます。これまでの歩みを振り返っていただけますか。
鈴木 JMACの前身ともいえる日本能率協会(JMA)は1942年、日本能率連合会と日本工業協会が統合して発足しました。社名にもある「能率」とは、人の「能力」、設備の「性能」、材料の「機能」という3つの能力を活かし切るための科学的管理技術のことであり、能率増進運動を通じて、わが国の戦後復興と高度経済成長を支えてきました。
1980年には、グローバル展開を図るべくコンサルティング部門が株式会社として独立。現在は中国、タイ、韓国、イタリアの4カ国に海外現地法人を置き、JMACが蓄積してきた技術と日本的経営を融合させながら、日系企業に限らず非日系企業に対してもコンサルティングサービスを提供しています。アジアは新興国の成長のためのマネジメント支援と技術移転を、欧州は「インダストリー4.0」など次世代新技術のキャッチアップを目的として、各現地法人との連携を強化しています。
-JMACというと、ものづくり企業を支援するコンサルティングファームといったイメージが強くあります。
鈴木 もちろん、「生産・サプライチェーン」は、設立以来、経験とノウハウを蓄積してきた領域ですが、それ以外にも、「経営戦略・事業戦略」「マーケティング・CS・営業」「研究・開発(R&D)」「オペレーション・情報システム」「組織・人材」など、さまざまな分野に対応し、総合コンサルティングファームとして、幅広い業種・業態の企業に最適なソリューションを提供しています。
我々の強みは、これらの専門領域ごとに10年、20年のキャリアを積んだ熟練コンサルタントを擁し、クライアントのニーズに応じてベストなチームを編成、支援に当たっていることです。企業が抱える課題が多種多様で複雑化する昨今は、複数の専門領域のコンサルタントから成るチームをつくり、クライアントにとって本当に必要な改革を現場レベルまで深く入り込み、実現しています。
現場は、決められたことをこなすのは得意ですが、変化に対してはネガティブです。現状維持に走る現場スタッフの意識を変えることは容易なことではありません。そのため、自ら作業服を着て、安全靴をはき、ヘルメットをかぶって現場に入ることもたびたびです。二人三脚で改革を進め、その成果が一過性で終わらない仕組みをクライアントに残すには、自律的な改革を継続可能とする社内インストラクターの育成も不可欠です。
当社のように在籍年数の長いコンサルタントが数多く所属するファームは国内外含めて少ないのではないでしょうか。私自身、30歳のときに中途採用で入社したのですが、経営と現場のいまに真摯に向き合い続け、時間をかけて専門性を磨き、後進を育てていくJMACの企業文化や組織体制は、競争の激しいこの業界にあって大きな差別化ポイントとなっています。