ネスレやロシュなどのグローバル企業も導入

 WalkMeは、創業者が自分の年老いた母親がオンライン登録をするのに何度も電話で自分にサポートを求めてきた体験をきっかけに、2011年に世界で初めてデジタルアダプションという概念を提唱。「誰もが迷いやストレスなくデジタルシステムを使いこなせる世界を創ること」をミッションとして、「WalkMeデジタルアダプション・プラットフォーム」(以下、「WalkMe」)を開発した。

「WalkMe」の特徴は、最初は迷いなく使いこなすための「リアルタイム操作ガイド」からはじめ、組織全体の業務遂行能力を高める「業務ルールのコーチング」、ほかのツールと連携させた「オートメーション」、継続的な改善に取り組む「PDCAサイクル化」といった流れで、全社のプラットフォームとして使うまで適用範囲を広げていくことができることだ。

 また、管理者がダッシュボード上で、ツールごとの操作の手順や動線をチェックし、無駄な箇所があれば柔軟に修正を加えることができる。「ユーザー企業自身で改善できますし、外部からサポートすることも可能です。そのため、SaaSなどのツールベンダーがカスタマーサクセスのために『WalkMe』を活用する例も増えています」(中川氏)。

 これなら、マニュアルも講習会も不要となるので、教育のための時間と費用を大幅に軽減できる。

 そのため、世界屈指の食品・飲料メーカーのネスレや、バイオテクノロジー世界大手のロシュなど、数万から数十万人規模の社員を抱え、DXの推進によってSaaSの導入を増やしているグローバル企業も「WalkMe」を採用している。

「大手IT調査会社のガートナーは、19年にデジタルアダプションを新たなデジタルソリューションのカテゴリーとして認定し、25年までには世界の大手企業の70%が導入すると推計しています。日本でも今後、導入企業は急増するはずです」と中川氏は語る。

テクノロジー投資の価値を最大に引き出す

「WalkMe」の特徴について中川氏は「一言で言えば“カーナビ”と“自動運転”のような仕組みです。ユーザーがデジタルツールを開くと、『ここに入力してください』『これをクリックしてください』というガイダンスが表示され、その手順に沿って作業を行うだけで目的とするタスクが完了します。必ず同じ項目を入力する作業や、複数の入力欄に同じ項目を重複入力する作業などは、操作が自動化できるので、業務効率の改善にも結び付きます」と説明する。

 たとえば、商用車の車両管理サービスなどを提供するスマートドライブは、ユーザーによる管理画面に「WalkMe」を使ってガイダンス機能を設定。デジタルに不慣れな運送業界などのユーザーでもサービスを使いこなせるようになることを期待し、その結果としての顧客満足度向上、コールセンターへの問い合わせ削減、オペレーションの負担軽減等を狙い導入した。

 また、ソフトバンクグループの格安スマートフォン会社であるワイモバイルは、法人ユーザーの契約登録画面に「WalkMe」のガイダンス機能を設定。操作途中の離脱が50%低下し、成約率がアップするという効果を得ている。導入8カ月でオンライン申込率が63%上昇し、申込不備率が57%減少した。手戻りなしで納期遅延リスクが解消し、営業・お客さま双方の負担を大幅に削減できた。

「『WalkMe』は複数のシステムを横断しガイドすることが可能です。従来存在しなかった新しいユーザー体験をつくったともいえます。これまでは各システムがサイロになっていたためシステムドリブンだった仕事の進め方やユーザー体験を、『WalkMe』上で業務ドリブンに自社がイニシアティブを持ってデザインできます。また、プラットフォームとして、複数のシステムを横断することで、全社DXの進捗をモニタリングし改善することも可能になり、全社としてのDXの『サクセス』を追求することにつながります」(中川氏)

■お問い合わせ
WalkMe株式会社
〒107-6218 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウンタワー18階
TEL:03-4590-7820
E-mail:japan@walkme.com
URL:https://walkme.co.jp/