あなたがコンサルタントで、用意したパワーポイントのスライドを使ってクライアントに最新情報を報告するとする。ところが、ノートPCの調子が悪く、スライドがぼやけている。PCが正常ならば、もっと見栄えがよいはずだと説明すべきだろうか。

 最近の研究で、被験者の大多数が「説明する」と答えたが、それは間違いだ。しおれてしまった植物、旬ではない貝を使ったレストランの料理、ぼんやりとしたオーロラなど、わずかに、あるいは一時的に欠陥のある提供物を使った12の実験では、それらを提供するタスクを課された被験者のほとんどが、「別の状況ならもっとよい」と説明すると答えた。

 しかし、このような説明を受けた相手は、反事実の「よかったであろう」という情報を受け取らなかった人よりも、その商品に対する印象が悪かった。しおれた植物を買う可能性は24%低く、レストランに対するチップは15%少なく、イェルプの評価は15%低く、オーロラに対する意見も否定的だった。パワーポイントのスライドが不鮮明だった例では、コンサルタントへの評価が低かった。