パンデミックからの教訓を考える

 新型コロナウイルスのパンデミックは、世界経済がいかに脆弱であるかを露呈し──同時に永久的に変容させた。一連の危機に関する書籍は、次のどちらかの影響に焦点を絞って論じるものが少なくない。つまり、私たちが危機から学んで二度と忘れられないことを列挙するか、完全に元に戻ることがない理由を説明するかのどちらかである。

 新型コロナに関連する最も明白な発見は、世界が、特に米国が、パンデミックに備えていなかったということだ。

 The Big Fail: What the Pandemic Revealed About Who America Protects and Who It Leaves Behindで2人のベテラン記者ジョー・ノセラとベサニー・マクリーンは、米国の対応について無数の失策を詳述している。彼らは世界的大流行(アウトブレイク)への無能な対策について、関心が薄かったドナルド・トランプ米政権が大いに非難に値することは認めているが、それも多くの失敗の一つにすぎないという。