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サマリー:新規事業やイノベーションの創出のため、いかにして保守的な組織風土を打ち破り、変革を実現していくのか。アルファドライブの執行役員で、コーポレートトランスフォーメーション事業を担当する鳥海裕乃氏に聞いた。
新規事業などで人が動かない「2つの文化」の存在とは
新規事業やイノベーションを創出するため、新たなケイパビリティ(組織能力)の獲得に取り組む企業が増えている。これに伴い、多くの企業では、事業アイデアの社内公募や評価制度の改革、研修・ワークショップなどを実施している。しかし、こうした「仕組み」だけでは思うような成果を出せていないのが実情だ。
その根本的な原因について、アルファドライブ執行役員の鳥海裕乃氏は「課題の多くは『人』『組織構造』『カルチャー(風土)』にあります」と指摘する。具体的には、社員が受け身体質、部門がサイロ化し連携がない、目先の数字重視で中長期ビジョンを持てないなど、枚挙にいとまがない。
なかでも、鳥海氏が問題視するのが2つの文化。「レビュー文化」と「お伺い文化」だ。レビュー文化は、上司が無駄やリスクを排除する観点から部下にフィードバックする文化。もう一つのお伺い文化は、部下が上司に常に「正解」を求める文化のこと。
いずれも多くの日本企業に見られる風土である。「私たちは『内向きカルチャー』と呼びますが、前例踏襲主義、批評家体質などのファクターが、変革を阻む風土を醸成しています。新規事業の創出などは、そもそも無駄やリスクが付き物。早々に変革の『芽』が摘まれてしまうのです」(鳥海氏)
その結果、笛吹けど踊らずで、戦略を描いても人が動かない。これが最大の課題となっているのだ。
このような組織カルチャーを刷新するにはどうすべきか。企業内の人を変え、それを起点にボトムアップを歓迎するカルチャーに変えるしかない。