アートのプロセスを知ることが
アートからの学びにつながる

 少し時間をいただきたい。このエッセイにどんなタイトルがつくのか私は知らないが、アートに関することが含まれているはずだ。そして、真面目なビジネスのコンテンツを探しているあなたは直感で、ページをめくるかスクロールして飛ばそうとしているかもしれない。

 でも、どうかもう少し読んでほしい。この文章までたどり着いたということは、あなたはわずかでも好奇心を動かされたのだろう。そのお礼に、ソフトな話題を鼻で笑う頭の固い人たちが知らない秘密をお教えしよう。アートがどのように、なぜ、つくられるのかを理解することは、達成と熟練に通じる道なのだ──それは企業の世界でも同じだ。

 私は情報デザインやデータビジュアライゼーションに関する執筆や編集、アドバイスをしながら、このことについて考えてきた。しかし、今回紹介する新しい書籍と、意外なことにあるテレビ番組のおかげで、私たちビジネス関係者がアートは苦手だと敬遠するのではなく、アートから学ぶ必要がある理由が具体的に見えてきた。