優れたリーダーは従業員の感情に注意を払う

 ある従業員の席をパーティション越しにのぞくと、彼は机に両ひじをつき、両手の上に額を載せてうつむいている。見るからにストレスを抱えていそうだ。あなたは何か話しかけるか。話しかけるとしたら何と言うべきか。

 従業員のネガティブな感情に配慮して対応するのは、重要だが難しいリーダーシップスキルだ。従業員が怒ったり、悲しんだり、落ち込んだりしている時に、何と言葉をかけるべきか。また何を言うべきではないか。これを知っておくと、従業員の幸福度やあなたとの関係の質、チームの業務遂行力に大きな差が出る。

 筆者らは、職場での感情に関する研究や、さまざまなグローバル企業(エクソンモービル、ゼネラルモーターズ、オラクル、ペプシコなど)との取り組みにおいて、リーダーが他者の感情にどのように対応すれば、従業員の健康や組織文化、能力を維持できるかを明らかにしてきた。