長内氏は「気をつけたいのは、当たり前ではありますが、依頼する内容に関して詳しく、実績のあるコンサルを選ぶこと。特に伴走型や自立支援型のコンサルについては、万能型よりも専門分野に特化したコンサルのほうが適しています。特定の領域に強いコンサルはこれまで以上に利用価値が高まるでしょう」とアドバイスする。また、「長期的な目線で、人材の成長や組織力の向上をサポートしてくれるコンサルかどうかも重要な要素」と言う。
専門家の視点を入れる大きなメリットとは
当然ながら、自社が置かれた競争環境(市場・顧客・競合などの動向)や重要な経営資源(技術力・販売力・経営能力など)をしっかり理解しているコンサルであるかどうかも肝要だ。
そもそもコンサルの活用は、プロフェッショナルの客観的な評価を得られるのが大きなメリットだ。自分が設定した課題やKPIなどが正しいのかどうかを専門家にチェックしてもらえるほか、外部の意見を聞くことで大きな気づきを得る効果もある。
こうした専門家の視点は、コア・コンピタンス(企業の中核となる技術やノウハウ)を活用した新規事業のアイデア創出など「次の一手」の探索にも役立つ。
さらに、長内氏は「コンサルによる評価は『資源動員の正当化』の手段としても重要な要素となります」と指摘する。
プロジェクトのアイデアや技術が斬新で事業規模が大きくなればなるほど、ステークホルダーの賛同を得るのも難しくなる傾向があるが、コンサルによる客観的な分析や評価があれば、より理解が得られやすくなるからだ。
企業経営者にとって、自社のケイパビリティを向上させ、課題解決能力や意思決定能力を高めるためにも、伴走型・自立支援型のコンサルは頼もしい存在になるだろう。