「クライアントゼロ」として生きたナレッジを提供する

村瀬:実際にCelonisを使ってみて、いかがでしたか。

小玉:ふだんからさまざまなツールやソリューションに触れていますが、驚くほどの効果を実感しています。手始めにアジア太平洋地域で利用している基幹システムのログデータを分析したところ、1万数千もの業務プロセスがあることがわかりました。その中で、同じ業務を繰り返したり、手戻りが発生している非効率な部分が多く見つかりました。

 まだまだ小さいですが、これらの改善でこれまでに約2.5億円の効果を創出できましたが、周辺システムや、グループ会社、協力会社などのサプライチェーン全体に広げれば、数十倍、数百倍もの非効率が見つかるポテンシャルがあります。「宝の山」を掘り当てることができたと思いました。

図版 経営コックピット画面例(上。数値はすべてダミー)とCelonisによる改善施策実施前後の例(下)

村瀬:まさにニーズにかなったソリューションとしてご評価いただけたということで嬉しく思います。導入から約3年が経過しましたが、今後、Celonisをどのように活用していきたいとお考えでしょうか。

小玉:当社では、グローバル全体で1000以上のシステムとサービスが動いています。そのすべてのログの分析を進め、非効率な業務を徹底的に洗い出し、個々の最適化ではなくエンド・トゥ・エンドでの業務プロセスの全体最適化を図っていきたいと考えています。そこにおいて、PI(Process Intelligence)プラットフォームであるCelonisは非常に重要です。

 さらに変革を加速させるため、AIを徹底的に活用していきます。人間の介助なしに自律的にタスクを実行するAIエージェントを導入し、一つの業務や組織を丸ごとAIに置き換え、人はAIマネジメントと付加価値の高い業務へとシフトし、人や組織、ひいては企業自体の在り方を変えていきます。CelonisとAIエージェントとの組み合わせで業務の飛躍的な効率化・高度化を実現し、バリューチェーン全体の業務プロセス最適化を目指しています。

村瀬:最後に、今後の抱負をお聞かせください。

小玉:DXで自社の企業価値を高めるだけでなく、お客さまや社会の価値創造に貢献する私たちの目標に向けては、道半ばだと認識しています。当社は「クライアントゼロ」戦略の下、NEC自身が“ゼロ番目”の顧客となり、生成AIをはじめとする新しいテクノロジーやソリューションをまず自分たちで試し、社内の取り組みで得られた生きたナレッジをお客さまや社会に提供していきます。

 Celonisについても、私たち自身の経験をお客さまや社会に伝えることで、日本全体の業務効率化や生産性向上に貢献していきます。

 変革とは終わらない旅です。QuickWinで成果を積み上げ、「変わり続けることを変えない」というDNAを基に未来を切り開いていきます。

村瀬:これからの挑戦に期待しています。本日はありがとうございました。

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Celonis株式会社
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