
代表取締役社長
横山芳成氏
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ビジネスにおけるAIエージェントの普及と活用が爆発的に進んでいる。人のような「曖昧さ」は微塵もなく、正確な仕事を高速でこなす新たな“働き手”の登場は、既存の経営パラダイムを根底から覆すほど大きな衝撃をもたらしている。「AI前提」の経営に向けて、早急な発想の転換が必要だ。
AIの進化が生んだ“新たな働き手”
AIの進化は驚くほど速い。ChatGPTの本格的なローンチとともに世界的な「生成AIブーム」が巻き起こったのは2022年。それから3年が経過し、生成AIは、誰もが当たり前に使う“標準ツール”となった。
いま、世界中のビジネスの現場で爆発的に普及と活用が広がっているのは、AIエージェントだ。
その定義は定まっていないが、利用者(ユーザー)に代わって、目標達成のために最適な手段をみずから探し、タスクの計画・遂行まで行うAI技術というのが、おおむね共通する認識だ。
つまり、これまで人が担ってきた役割の相当部分を肩代わりしてくれるツールである。まさに、AIの進化が生んだ“新たな働き手”といえる。
「生成AIは、ユーザーがプロンプト(指示や質問)を投げて、答えを出させる使い方が主流でした。しかし、2024年頃から急速に普及したAIエージェントは、人のように自律的に物事を判断し、目的に応じて適切な施策を実行できる“働き手”へと進化を遂げています。そのため、生成AIの登場で期待された業務効率化や生産性向上などのインパクトをはるかに超え、経営のあり方そのものを大きく変える衝撃をもたらしています」
そう語るのは、企業の戦略的なデジタル変革を支援するコンサルティングファーム、ULSコンサルティング代表取締役社長の横山芳成氏である。
実際、AIエージェントは、どれほど人に置き換えられるものなのか。
一例として横山氏が挙げるのは、ULSコンサルティングが国内で提供するソフトウェア開発に特化したAIエージェント「Devin」である。
「2024年に米国のCognition AIが開発したこのAIエージェントは、新卒5年目のプログラマーと遜色のないレベルのプログラムを自律的に生成できます。IT業界の採用は厳しさを増す一方ですが、これがあれば、中途・新卒にかかわらず、IT関連の採用計画は大きく変化します。採用する職種や人数の見直しだけでなく、ビジネスモデルや事業計画に至るまで、AIエージェントの活用は、経営そのもののあり方を抜本的に変えるトリガーとなりうるのです」と横山氏は語る。