サマリー:AIの導入は手段であって目的ではない。企業がAIを活用して効果を上げるには、何をすべきか。新進気鋭のコンサルティングファーム「SYNTHESIS」がその解を示す。

生成AIの普及が加速する中、導入効果を実感できていない企業も多い。その違いを決めるのは、組織が変わる力だ。人と組織を起点にAIによる経営変革を支援するSYNTHESISは、AIファースト時代の新しいコンサルティング像を体現している。

AI投資の現実と日本企業の壁

 AI導入に対する期待が世界的に高まり続けている。MITの調査によれば、生成AIに対する企業投資は年間で3000〜4000億ドル規模に達している。

 それにもかかわらず、財務インパクトのある成果を実現した企業はわずか5%にすぎないという。日本企業も例外ではなく、多額の投資にもかかわらず成果が見えないケースが多い。なぜか。

 “AIファースト時代のコンサルティングファーム”を標榜するSYNTHESIS(シンセシス)Founder & CEOの武藤惣一郎氏は企業の構造的な問題を指摘する。

「現状を前提にAIを部分的に導入しても成果にはつながりません。AI活用を見据えてビジネスプロセスや組織体制を見直す必要があります。特に日本企業では多くの業務が属人化し、簡素化・標準化できていない。ここにメスを入れることがまず求められます」