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「次から次に馬鹿げたことが起こって、対処しなくてはなりません。こんな仕事はもううんざり。些末なこと、足の引っ張り合い、愚にもつかないことが降りかかってきて、もう手に負えません。ストレスで潰れそうです」
ストレスは幸福感の最大の敵であり、職場で不幸せな気分で過ごすには、人生はあまりにも短い。にもかかわらず、金融サービス、教育、製薬、ヘルスケアといったさまざまな業界のリーダーたちから、こんな嘆きの声を頻繁に耳にする。
筆者らのコーチングやコンサルティングの現場でも、かつては仕事を愛していたはずのリーダーたちが、こんなことをつぶやくケースが増えた。「何のために働いているのか、わからなくなった」。彼らは燃え尽きてしまっている。慢性的かつ急性的な職場のストレスによって、感情的に疲弊し、物事に対して冷笑的になっているのである。
なぜストレスを感じる人が増えているのだろうか。その大きな原因は、世界と職場が目まぐるしく変化していることである。多くの人が過重労働を強いられ、かつてなかったほど長時間働いている。仕事と家庭、オンとオフの境界が曖昧になり、場合によっては完全に消えてしまっている[注1]。
上司や同僚との軋轢が続き、時にはそれが有害なレベルに達する。常に警戒を強いられ、いら立ちを募らせているような状況では、満足な仕事ができるはずもなく、健康面にさえ悪影響が生じる。仕事は重荷になり、燃え尽きるのは時間の問題だ。職場で幸せに過ごすことなど期待すべくもない[注2]。
だが、一つ希望の持てる知らせがある。なかには燃え尽きてしまわない人もいる、という事実がそれだ[注3]。過酷な状況にもめげず、成長を続け、活力を維持している人がたしかに存在する[注4]。



