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生成AIが働き方を変える
生成AIは、私たちの働き方を変えつつある。2023年のマサチューセッツ工科大学(MIT)の調査によれば、チャットGPTやコパイロットなどのツールのおかげで、メールからブログ記事、社内分析の計画書まで、あらゆるものを以前より40%速く書けるようになった。
この新しいテクノロジーは、特に技術的な仕事を変革している。MITスローンスクール・オブ・マネジメント、マイクロソフト・リサーチ、ギットハブの調査では、たとえばAIコーディングツールは、プログラミングにかかる時間を56%短縮することが明らかになった。
労働者は、こうして生まれた時間をどのように使うべきか。2022年11月にオープンAIがチャットGPTを公開して以来、専門家らはこの議論をしてきた。たとえば、ボストン コンサルティング グループ(BCG)の調査では、多くの人は節約できた時間を問題解決や人との交流、新しいことの学習に充てていることがわかった。
ノーベル経済学賞を受賞したクリストファー・ピサリデスが提唱するのは、それとは異なる活用方法である。新たに得たこの自由時間を使って、ウェルビーイングを向上させ、ゆくゆくは週4日労働に移行すべきだと考えている。
一般的には、人々はAIによって節約できた時間を、私生活の充実、イノベーションの開発、生産性の向上などに費やすと考えられている。しかし、スイスのローザンヌ大学が2024年前半に実施した、世界のAIユーザー302人とマネジャー57人を対象にした2つの調査の結果は、それとは相反する。
調査では次のような質問をした。「AIを使うことで時間を節約しているか」「他のことに使える時間が増えたと感じるか」「個人的なタスクや仕事関連のタスクに時間を再配分しているか」「節約した時間を無駄にする頻度はどのくらいか」
生成AIによって、マネジャーは平均で週約2時間46分節約していることがこの研究で明らかになった。マネジャーの82%は、生成AIのおかげで仕事をより速くこなせるようになったと回答した。しかし、その多くは自由になった時間を十分に活用できておらず、38%ものマネジャーが半分以上を無駄にしていると認めている。
同様に、時間を節約できたAIユーザーの84%が、少なくとも4分の1は無駄にしていると答えた。節約できた時間をどのように生産的に使ったか尋ねたところ、マネジャーの40%が「いつもと同じ仕事をした」と答えた。人とのつながりや家族との団欒、新しいスキルの習得、肉体的・精神的健康の増進のために時間を使ったと答えたマネジャーはほぼいなかった。



