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アンバンドリング手法の大きな変化
40年間にわたって情報技術が進歩してきたことで、企業は次第に業務を「アンバンドリング」(分解)し、個々の仕事を専門事業者にアウトソースできるようになった。いまではこの戦略をはるかに高度で、ともすれば変革的ともいえるレベルで追求している。
この発展を推し進めるのは、組織間ワークフローをデジタルで統合することを可能にするテクノロジー、特にAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)だ。システム間でリアルタイムのやり取りを可能にし、協業コストを劇的に削減し、顧客を含む複数の関係者にまたがって複雑な活動チェーンを容易に割り振ることができる。
物流の状況を見てみよう。中小企業はかつて、大手小売業者並みのスピードで注文をさばくことができずに苦労していたが、シップボブのようなクラウドベースのサービスによってそれが一変した。
シップボブは保管、ピッキング、梱包、配送を行うフルフィルメントセンター・ネットワークを運営している。このプラットフォームは多数のECストアやマーケットプレイスとシームレスに統合されており、自社やパートナーの倉庫に在庫品を自動で振り分け、ティックトック・ショップの出品者をはじめとする独立系事業者が自前でフルフィルメントのインフラを持たなくても2日で配送できるようにしてくれる。
あるいは、飲食店のデリバリー事業を考えてみよう。いまや「飲食店」というものは、ブランドとレシピとメニューさえあれば成り立ちうる。それ以外のことはすべて、調達や人員配置から調理、配達プラットフォームとの連携までを一手に管理するキトピのような、極めて効率的な「クラウドキッチン」のネットワークにアウトソースすればよい。飲食事業者は大きな投資をせずとも、デリバリー事業を素早く拡大できるのだ。
この2つは新たな組織横断型コミュニケーションシステムによって超専門特化型サービス事業者の台頭が加速していることを示す事例といえる。この潮流が始まりを見せたのは、クラウドコンピューティングによってテクノロジー主体の産業が再編されるようになった2000年代だが、いまやあらゆる業種のビジネスを劇的に変えつつある。
本稿では10年に及ぶ研究に基づいて、この変革の背後にある力、その主要な側面、さらにそこから生じる機会と課題に企業がいかに取り組めるかを探っていく。
新たな潮流を引き起こすもの
最新のアンバンドリング手法は、従来のアウトソーシングとは決定的に異なっている。企業は単に業務を第三者に委託するのではなく、外部の超専門特化型サービスを自社の業務プロセスに直接組み込む。このトレンドを牽引する要因は2つある。
顧客中心プロセスのデジタル化
顧客に素早く便利なサービスを提供するために、企業はチャネル横断でワークフローのデジタル化と統合を図ってきた。



