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近年、マネジャーは、コントロール不能のリスクによって、いったいどんな影響を受けるのかについて、ますます注意を払うようになっている。
多くの場合、為替相場、金利、商品相場等の経済・金融指標の変化が、最終的に企業戦略や収益を不安定にしている。以下の例を考えてみよう。
□1986年の前半、世界の原油価格は50%下落した。その結果、各種エネルギー価格は24%下落した。全体として見れば、経済成長を促す結果となったが、石油生産者、エネルギー産業に機械設備を供給しているドレッサー・インダストリー社のような会社にとっては悲劇であった。
国内の石油生産量が減少するにつれて、ドレッサー社の製品に対する需要も減少した。同社の営業利益は1985年の2億9200万ドルから、1986年には1億3900万ドルとなった。そして株価は24ドルから14ドルに下落し、設備投資額は1億2200万ドルから7000ドルに減少した。
□1980年代の前半、ドルは実質約50%上昇したが、1988年までには元の水準にまで戻ってしまった。このドル高によって、アメリカの輸出業者は、世界市場での競争力を保持するために価格を大幅に下げなければならず、その結果、短期の利益と長期の競争力が低下した。
世界最大の掘削機械メーカーであるキャタピラー社は、1981年から1985年の間に、実質ドルベースで売上げが45%減少したが、ドルが弱くなるにつれて35%増加した。
その間、同社の設備投資は、7億1300万ドルから2億2900万ドルに減少した。1988年、設備投資額は7億9300万ドルに急増しているものの、キャタピラー社は、日本の小松製作所といった外国企業との競争に破れてしまった。
一般的に言えば、ドレッサー社とキャタピラー社の両社は、デリバティブ(金融派生商品)を利用することによって、エネルギー価格や為替相場の変動リスクを回避することが可能であった。今日、以前にもまして多くの企業がそれを実行している。
米議会会計検査院は、1989年から1992年でみたとき、フォワード、フューチャー、オプション、スワップといったデリバティブの利用が145%増加したと報告している。
増加した利用の大部分は企業によるもので、ある最近のレポート【1】では、1987年から1991年の間に、企業によるデリバティブの利用は4倍増を示したということである。



