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1991年7月、ローレンス A. ボシディは、アライドシグナル社の会長兼CEOに就任した。アライドシグナル社は、売上高130億ドル、航空宇宙システム、自動車部品、化学製品の生産財メーカーである。ボシディが就任して以来、アライドシグナル社は、耕地をつくるために木を伐採して焼くといった、古典的な「焼畑農法」に方向転換した会社のように思われている。
すなわち、社員数は削減され、資産は売却され、リストラが実施され、その結果、収益と株価を劇的に上昇させた企業だからである。
しかし、アライドシグナル社内の見方は(少し違っており)、長期的に業績を持続させる企業競争力の形成と強化に専心している経営者ならば、だれでも深い興味を抱く内容であった。
ボシディは行動が直裁的で、現実的な考え方をする業績主義のリーダーとして知られている。しかし、彼はまた、社員を学ばせ、最高の社員を生み出すような、カリスマ性のある、粘り強い「コーチ」でもある。このインタビューで、彼は、勝利のためには社員をコーチしなければならないことに言及している。
60歳のボシディは、企業変革の素人ではない。ゼネラル・エレクトリック(GE)の副会長時代、再びGEを売上高650億ドルの巨大企業へと返り咲かせようとしたCEOジャック・ウェルチの補佐をした経験がある。
GEにおけるボシディの経歴は、1957年に経理財務スタッフとして始まる。70年代後半から80年代初めまで、GEキャピタルを率いて、世界一級のファイナンシャル・サービス組織をつくり上げた。
このインタビューは、1994年末に、ノール・テイシーとラム・チャランによって、アライドシグナル本社のあるニュージャージー州モーリスタウンで行われた。ティシーは、アンナバにあるミシガン大学ビジネス・スクールの教授であり、グローバル・リーダーシップ・プログラムの責任者でもある。『現状変革型リーダー』(M. ディバナと共著、ダイヤモンド社)、『ジャック・ウェルチのGE革命』(S. シャーマンと共著、東洋経済新報社)の共同執筆者でもある。
チャランは、テキサス州ダラスを本拠地として活躍し、コーポレート・ガバナンスや企業変革を扱うコンサルタントである。
HBR(以下略、太字部分がHBR):一人で巨大組織の変革に立ち向かうには、どのようにアプローチすればよいのですか。
ローレンス A. ボシディ(以下略):変革についての「バーニング・プラットフォーム」(屋台骨に火が回る)の理論を信じています。沖合の油田で(火災が起きたとき)、作業員たちに、現場監督が「海に飛び込め」と怒鳴っても、作業員たちは飛び込もうとはしないでしょうし、その現場監督のことを親切だとは思いません。海には鮫がいるかもしれません。油田のデッキの上で燃え上がる炎が見えたとき初めて、作業員たちは海に飛び込むのです。



