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現在、右に倣えとばかりに、企業変革活動が盛んに進められている。
いままでになかった変化が企業経営に訪れていることは疑いもなく、企業全体の再設計が必要なのは当然である。企業変革がブームだといっても、それが避けて通れない最重要課題だからだ。
しかし、そこには経営者の「本気」が見えない。それどころか、変革の旗を掲げても、いったい何をどのように変えていくのかが判然としない。例えば、最高責任者(社長)ではない者が変革活動の陣頭指揮を執っていたり、だれが責任者なのかわからない「委員会」が設けられたりと、経営者の危機感が伝わってこないケースが多い。また、変革といっても、リストラ、リエンジニアリング、CSといった言葉に振り回されて儀式化の道を歩み始めていく。日本企業は本当に変革することができるのだろうか。
日本では企業業績が振るわなくなると、ジャック・ウェルチの偉業を讃え、これを模していく。それはまさしくウェルチの言う「ベスト・プラクティス」であり、間違ったことではないだろう。しかし、なぜうまくいかないのか。ウェルチを、そしてGE革命を学習する機会はいままでにもあったはずだ。何が見落とされてきたのか。何が誤解されてきたのか。
日本的経営の特徴は長期的視点があることだと言われるが、はたして本当にそうだろうか。また、社員を大事にしているというが、社員は大事にされていると思っているのだろうか。これら日本企業の経営者の思い込みが、本質に迫ることを阻害しているように思われる。
ウェルチは「冷徹」に「蛮勇」を振るう革新者のように語られることが多いが、彼がCEOに就任して以来行ってきた施策の多くに、日本企業がお家芸だと自画自賛する「長期的視点」「継続的改善」「企業は人なり」といったコンセプトや姿勢を読み取ることができる。日本的経営を本当に実践・実現しているのは、日本の経営者でなくウェルチなのではないか。
本論文は、ノール・ティシーとラム・チャランによるジャック・ウェルチへのインタビュー、『スピード、簡素、自信』(DHB誌1990年1月号)の再掲載だが、ウェルチの経営哲学、GEにおける企業変革の本質が見事に語られており、いま一度、ウェルチの話に耳を傾けてみたい。
HBR(以下略、太字がHBR):優れたマネジャーを形づくるものは何ですか。
ジャック・ウェルチ (以下略):私は、マネジャーというより、ビジネス・リーダーという言葉をむしろ使いたい。優れたビジネス・リーダーはあるビジョンを創造し、それをはっきりと表現し、情熱を持ってそれを自分のものとし、その完成に向かって遠慮会釈なく推し進めていく。
とりわけ優れたリーダーはオープンである。組織の上に、下に、横に自由に動いて人々に接触する。既設のチャネルなどには執着しない。形式ばらないのだ。人にズバリと迫る。必ず人に近づきやすいようにする。そして飽きることなく人に語りかける。



