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P. F. ドラッカー(83)が企業、非営利組織、政府機関の教師役や助言者の役割を演ずるようになって、半世紀が経つ。近代マネジメントの父と呼ばれる彼は、社会や経済の大きな流れを見通し、組織のリーダーたるものはいかにして乱気流を事実上のチャンスとするべきかについて、現実に即した洞察を行う。
ドラッカーは、稀にみる統合の力をもって、日本の芸術から高等数学のネットワーク理論にいたる広範な学問領域にわたって、そのあくなき探究心をみたしている。
しかし彼がもっとも多くを学ぶのは、彼自身のクライアントや学生との突っ込んだ会話からである。行動から理念を引き出し、理念に基づいて行動する人たちからなるグローバルな人的ネットワークからである。
1946年にその著"Concept of the Corporation(会社という概念)"において、従業員をコストとしてではなく資源として定義して以来、ドラッカーの著作は主要国のすべてにおいて、リーダーたる人たちの糧となってきた。とくに日本が世界における経済的リーダーシップを握るにいたる重要な過程において、日本の最高の意思決定者たちにとって糧となったのである。
今日、世界中の生産的な組織の非常に多くが、ドラッカーをたとえ個人的な導師としてではなくとも知的な案内人として考える人たちによって率いられている。
これまで彼のもっとも生産的な洞察の多くが、ハーバード・ビジネス・レビュー誌において、初めて世に出されてきた。すでに本誌への寄稿は、余人の追随を許さない30本という数にのぼっている。しかも彼は、1992年9-10月号では、新著「ポスト資本主義社会」(原題:Post-Capitalist Society、邦訳はダイヤモンド社刊)の中心テーマのいくつかを発表している。
今般、本誌編集陣は、ドラッカーの協力者としての役割を24年間つとめてきたT. ジョージ・ハリスをカリフォルニア州のクレアモント大学院に派遣し、彼の新著が今日の経営者にとって具体的にいかなる意味を持つかについて、2日間にわたる集中インタビューを行わせた。
HBR(以下略):ピーター、あなたは常に仕事や生活のレベルまで切り込んで考える方です。そこで、ポスト資本主義社会の経営管理者は、どのように仕事をすべきか、うかがいたいと思います。
P. F. ドラッカー(以下略):だれの指揮下にもなく、だれをも指揮しないという状況、つまり指揮権というもののない状況下で、どう管理していくかを学ぶ必要が出てきます。それが基本的な変化です。
経営学の教科書は、いまだに部下の管理の仕方を中心に論じています。しかし、いまや経営管理者は、何人の部下を指揮しているかで評価されるものではありません。そのような基準は、仕事の複雑さ、仕事で使う情報、仕事が生み出す情報、仕事をするうえで必要な多様な関係に比較すれば、さして意味のあるものではありません。



