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宛先:トップフォーム・コーポレーション
代表取締役社長 ピーター・アンダーソン殿
発信者:カタリスト社長
フィーリス N. シュウォーツ
件名:ビジネス社会に女性は絶対必要
1年前、貴社における女性の待遇を分析し、貴殿の方針に関してアドバイスをするようにとのご依頼を受けました。それ以来私は貴社を調査し、貴社における女性の待遇を余すところなく理解するために、トップの方々とも詳細にわたるお話し合いを続けて参りました。
女性に男性と均等な機会を与えるという方向へ貴社が進展を見せていると確信なさっていることは、私も承知しております。それにもかかわらず、その努力がこれまでのところ評価を受けてこなかったとお考えです。また、貴殿の支援のお陰でいちばん利益を受ける立場にある女性が、感謝しているようにも思えません。管理職層の女性の退職率がうんざりするほど高いことを心配なさっています。しかしそれと同時に、現代の、男女が共に働くビジネス社会の繁雑で些細な出来事、例えば職場での産休やセクハラなどにも困惑を示しておられます。こうした問題は、よくても悩みの種ですし、悪くすれば、製品の改良を進め会社の利益体質を改めるという、貴殿の最も重要な目的の達成の障害になります。
たとえ貴殿が虚心坦懐を信条としておられようと、私が今から申し上げることを好まれるはずはありません。もし貴殿が大方の最高経営責任者と変わるところがなければ、万事問題なし、実行してこられた方針のお陰で家族的で親密な会社がすでにでき上がっています、と申し上げるのをお望みになることと存じます。しかしこうした気休めを貴殿はお受けにはなりますまい。事実私の見解は正反対です。今必要なのは根本的な改革です。これ以上の改善や場当たり的な手段ではありません。私の任務は貴殿への挑戦です。気休めではありません。
貴社が女性の前進を支援なさるのは絶対必要なことです。これは女性のためだけではなく、貴社のためでもあるのです。さらに申し上げれば、すべての社員に寛大で喜んで受け入れられているとお考えの貴社の社風は、実は女性をだめにしています。しかし貴殿がこの難題を引き受け、女性の待遇に抜本的な改革をなされば、貴社の利益を大幅に改善させることができます。
アメリカの強力な企業を率いている貴殿たち経営トップの皆さんは、大きな機会を逃しています。貴社の人材の半数の管理と動機づけの方法を根本的に誤解して、女性の能力のほんの一部しか引き出していないのが実態だからです。こうした問題が無視され続けている1つの理由は、いわば籍口令のようなものがあってこの問題を公に討議することを阻止しているからです。貴殿は訴訟を恐れて懸念を口にはされず、男性と違っているように見られたくない女性たちも、やはり沈黙を守っています。貴殿は万事問題なしという振りをなさっていますが、口をつぐんで語るのを避けている問題は、解決できるものではありません。
貴社だけが問題なのではありません。たとえ最高経営責任者やマネジャーたちが自分たちは情深く、思いやりがあり、進歩的な考えの持ち主であると思っているとしても、アメリカのほとんどの企業で、女性は居心地の悪さばかりか、苛酷な状況すら味わっています。実際には、貴社は他の多くの企業よりもましな状態です。しかしこの問題が貴社1社だけではなく、また貴社が最悪の違反者ではないという事実は、慰めにもなりません。それでも貴社には改革が必要なのです。
解決はただ単に何か「感じのよい」方針を定めるということではありません。抜本的な改革です。それは恐ろしいほどの影響、しかも金銭で計ることもできる影響をもたらす、思考と行動の革命なのです。
例えば、何がこの抜本的な方針改革の経済的な起動力になるのでしょうか。貴殿が人事方針の検討を避けて、研究開発部門主催の興奮を誘う新製品発表会に出席していると、しばらくの間想定してみて下さい。この製品は何年も費やして開発され、いま完成に近づいています。もしこの製品の発売に成功すれば(そう信じておられますが)、貴社の収益は急激に増加します。この発表会が終了した後、しきりに仕事がしたくなるという反応を感じられませんか。女性をビジネスに絶対必要なものとして取り扱うのは、研究開発から生まれた大きな需要のあるユニークな新製品に対する扱いと同じことです。それが貴殿と貴社が実行できる最も重要な「新製品の着手」になることは間違いありません。根本的な改革を行い、女性社員を絶対必要なものと認めるのは正当なことです。しかしもっと重要なのは、それが経済的にも十分意味があるということです。
アメリカ企業の女性活用評価、レベル0から5まで
貴殿は私に貴社の評価を依頼されました。ご承知のように私は毎年アメリカ中を旅行して、何百人ものトップを訪問し、この問題を討議しています。こうした現地訪問と討論により、私には貴社を他の多くの企業と比較する経験的な基盤が身につきました。



