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経営戦略を評価する指標として、1株当たり利益や投下資本利益率という会計指標は、今後とも広く利用されるだろうが、こうした基準には基本的な点で欠陥がある、と著者は指摘する。
経営計画の究極的な評価は、株主の価値を生み出すかどうか、という点にある。そこで、この基準にそった計画評価のための信頼性のある指標が必要となる。
ここで提起する株主の価値へのアプローチは、割引キャッシュ・フローを基礎にして、簡単に入手できるデータを使用しながら、事業単位(事業部門)と全社レベルの戦略代替案の予想される価値創出額を決定しようとするものである。
今日のように企業環境の変化が迅速で、その方向も見定めにくいことが多い時代では、公式の戦略計画作成システムは、トップマネジメントが将来の不確実性を評価し、それに対応するためのひとつの有力な武器になっている。さらに取締役会メンバーも、自社の的確な戦略の採択と、その戦略の実際の成果に照らしての検証を確実にすることへの関心を、しだいに強めている。
組織の活性化の程度と戦略計画作成過程の高度化の状態は、企業によってかなり異なるが、この計画作成過程は、ほとんど必ず予想財務諸表(通常は、5年間を対象とする)の作成をもって完結する。
この会計様式のおかげで、トップマネジメントと取締役会は、自社の経営成果を株主と金融関係者に報告するのと同一の用語で、自社の戦略計画を検討し承認することができる。現在の経営実践では、この予想財務諸表、とりわけ予想1株当たり利益が戦略計画や長期計画の魅力度を判断する基準として、一般的に利用されている。
しかし、戦略計画を評価するために慣習的に使用されている会計志向のアプローチは、次のような基本的な質問に対する信頼性のある解答を提供することができない。
>この全社計画は、株主への価値を生み出すことができるか、もしできるとすれば、その額はどのくらいか。
>価値を生み出すのに貢献している事業単位と、そうではない事業単位はどこか。
>他の戦略計画書を採用すれば、株主価値を生み出すのにどのくらい影響を与えるだろうか。



