法を遵守しているだけで事足りるのか

 CSR(企業の社会的責任)についてお題目ばかりを唱えているところと、きっちり果たしているところとを見分けるには、社員たちの行動を観察するとよい。

 ノボノルディスクファーマには、崇高なビジョンと価値観が綿々とつづられた綱領があると思うだろう。実際、そのようなステートメントが掲げられている。ただし、それだけではない。同社の全社員は、1年に最低一日は糖尿病に関わる人、すなわち患者、介護する人、または健康管理の専門家について回り、自社の改善点を提案することが義務づけられている。

 さらに3年のサイクルで、30~40人のファシリテーター(まとめ役)が部門単位で社員たちと面接し、日々の業務や意思決定がノボノルディスクの価値観と齟齬を来していないかどうかを確認している。

 ボストン・カレッジのコーポレート・シチズンシップ・センターがアメリカ商工会議所と日立ファウンデーションの協力を得て2003年から2004年に実施した調査によれば、企業市民としての取り組みにばらつきが見られた。

 執行役員の多くが、企業が負うべき社会的かつ環境的な責務として「税引前利益」(82%)、「会社の評判」(59%)、「顧客」(53%)と答えている。