技術革新の牽引車もいまやブレーキに変わった

 アメリカでは、過去2世紀の大半において、その特許制度が技術革新を牽引し、一流のレベルへと押し上げてきた。しかしここ20年ほどは、逆にブレーキになりつつある。

 法律と政策が変更――一見する限り、ごくありふれた改正である――された結果、特許制度そのものが大きく変わってしまった。

 審査基準は緩やかになり、おかげでさまつな出願案件がどっと増えてしまった。しかも、競合他社に対抗する武器として、見境のない特許侵害訴訟が起こっている。

 このような憂慮すべき事態は、特許関連訴訟の連邦裁判所への提訴方法が変更された1982年にさかのぼる。それまでは12の地方裁判所が審理を担当していたのだが、先の法改正後はたった一つの専門裁判所がすべての案件を処理するようになった。

 新設された専門裁判所は、特許法とは特許を取得しやすく、また実行に移しやすく、それによって利益を得やすくするための法律であり、特許の有効性を脅かすような侵害者には厳しく適用すべきであると解釈する。