中国消費財市場の成功企業と失敗企業

 ダノン・グループは世界最大手の乳製品メーカーの一つである。同社ならば、世界で最も成長の著しい乳製品市場に容易に参入できたはずだろう。しかし、このフランスの食品コングロマリットは、中国市場でビスケットとミネラル・ウォーターの販売には成功したが、主力の乳製品では失敗を喫した。

 同社は2002年、10年間にわたって同市場に取り組み、また1000万ドル以上を投資したにもかかわらず、ついには中国の乳製品市場から撤退し、その設備を競合の中国企業に売却した。

 中国での努力が実を結ばなかった外国企業はダノンだけではない。ユニリーバ、カールスバーグ、クエーカー・オーツなど、大手多国籍企業も中国市場への参入に苦戦している。

 問題は商品ではない。実際、中国人が他国商品を嫌いなわけでもない。さらに、進出企業の出発点、すなわち、どのブランドもまず初めにハイエンド層に狙いを定めたことも間違ってはいない。問題は市場シェアの拡大にある。

 コルゲート・バルモリーブ、コカ・コーラ、アンハイザー・ブッシュなど、一握りの多国籍企業が進むべき方向を教えている。プライシング、市場ポジショニング、流通、買収を慎重に組み合わせ、やはりハイエンド市場に橋頭堡を築き、さらにそこから急成長市場へと進出したのである。いずれの企業も3つの基本戦略を実行している。