経営書はメタファーにあふれている

 数年前、経営書で使われているメタファーを調べ、AからZに並べたことがある。2週間足らずのうちに、アルファベット26文字分が揃った。Aは"Antarctica"(南極大陸)で、『史上最強のリーダー[注]』に登場する。最後のZはギリシャ神話の最高神、"Zeus"(ゼウス)で、Gods of Managementに登場する。

 AからZの間には、ビジネスを『スタートレック』になぞらえた本もあれば、犯罪組織、『オズの魔法使い』、ヨット・レース、寓話、さらにはガンの群れに例えた論文まで、多種多様である。ちなみに、私はガンの群れの例えが大変気に入った。

 なお、ビジネスを戦争やスポーツになぞらえたものはきわめて多いが、これらは対象外とした。メタファー探しとして扱うには、簡単になりすぎるからである。

 なかには、なかなかの良書もあった。しかし、ほとんどの本では、これまでにない斬新なアイデアが披瀝されているわけではなかった。目新しい方法で表現したことしか取り柄のないような代物ばかりだった。

メタファーの限界

 さて、かく言う私自身はけっこうメタファーが好きである。メタファーは教育効果も高く、イノベーションにも役立つ。ボストンコンサルティンググループの優秀なエリートたちもそう主張している。