2012年のロンドン五輪では、「なでしこジャパン」が銀メダルに輝いた。リードされても諦めず、必死にボールを追いかける姿が、国民に大きな感動を与えた。FIFA女子W杯優勝に続く大活躍である。そして、彼女らもまた、「青き衣」を身につけている。

 かつてナウシカの師であった腐海一の剣士ユパも、教え子が自らの行動と感性で、世界の終焉たる大海嘯の意味を探り当てたことで、ナウシカを深く崇敬する。次代の若者の先を行く中高年が、その立場から、指導や説教をするのではなく、「負うた子に教えられる」ことを厭わぬ態度を抱くこと。それも、世代がひるがえるリーダーシップの継承には、必要な要素だ。

 残念ながら、わが国では、若い時からリーダーシップを身につけていくことが不利な状況にある。そもそも、リーダーシップを正しく伝える和語がないことが災いしている。一方で、経済発展の著しい中国でも、リーダーシップが流行っている。その中国では、リーダーシップに「領導力(リンタオリー)」という言葉が当てられている。

 それでは、リーダーシップをしいて訳出すればどうなるか? 「統率力」だろうか。それとも「女子力」か。