「化学反応が起きていないのに、無理につくり出すことはできません。大切なのは、すべての人がそれぞれに貢献できるのだと理解すること。そして、どうすればみんなで輝けるだろうかと一緒に考えることです」

 大学で心理学を学んだゲイル・キングは、地元のCBS系列のテレビ局で制作アシスタントとして働いていた時、テレビニュースに「恋して、恋して、恋した」。そしてジャーナリズムの道を選び、50年に及ぶキャリアが始まった。地方番組の制作、レポーター、司会を経て、自身の番組『ザ・ゲイル・キング・ショー』で全国放送に躍り出たが短命で終わり、長年の友人オプラ・ウィンフリーのメディアに活動の場を得た。2012年から『CBSモーニングス』のアンカーを務める。数度にわたる共同司会者の交代を経て、現在に至る。最近はCBSの経営陣刷新を受けて動向が話題になっている[注]。

HBR(以下太字):大学で心理学を学んだことは、ジャーナリストという仕事に役立っていますか。

キング(以下略):私の強みは好奇心です。子どもの頃は「知りたがり」と言われていました。自分では探究心が旺盛だと思っています。オープンで、何でも関心を持つこと。それが私らしさであり、だからこの仕事を楽しんでいます。人は自分のことを語りたいものです。会ったばかりの人でも、いつの間にかその人の人生の物語を聞いてしまいます。ですが、私は相手の心理分析をしているわけではありません。

 どのように取材テーマを選んで、上司を説得してきましたか。

 自分が関心を持ったことや腑に落ちないと思うことを取り上げ、普段あまり注目されない人たちに光を当て、しかるべき人々の責任を追及したいと考えています。