危機や困難、あるいは未知の課題に遭遇した時に求められる力こそ、「再起力」(resilience)である。それは、目の前の難局にめげることなく、これを乗り越え、かつての姿に戻すというより、それ以上になって復活する力のことである。幸い、この能力はだれにでも備わっているもので、また組織として習得することも可能である。アメリカが、2001年9月11日の同時多発テロ後、世界じゅうの人々が目を見張るほどのスピードで復興を果たしたのは、まさしく再起力の賜物であり、これを引き出し鼓舞するリーダーシップが発揮されたからである。本稿では、再起力の高い人材や組織に共通する3つの要件について解説する。