2004年におよそ500万人が被災した、スマトラ島沖地震とその津波は、民間企業が人道支援に関わるうえで一つの転換点になった。世界じゅうから史上空前の金額と善意が寄せられたが、こうした反射的反応は、被災現場を混乱させ、逆効果に終わることもある。この事態は、民間企業と援助機関の協力体制に多くの欠陥があることを露見させた。

災害発生時に、企業が援助に乗り出すことは好ましいことだ。だが、コカ・コーラやTNTなどの企業のように、あらかじめ援助機関と連携し、災害が起きる前に援助計画を策定しておくほうがさらによい。ただし、こうした企業と援助機関のパートナーシップの実現には、両者の温度差など、乗り越えなければならない障害も多い。

このうえで本稿では、パートナーシップの有効性を指摘し、さらに援助形態と参加形態から4つのタイプに分類して、それぞれの利点と課題を論じる。