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有能なリーダーは敵対者をも味方につける
ジョン・クレンデニンは、1984年にビジネス・スクールを卒業、同年ゼロックスの部品調達部門に配属となり、自身初の経験となる管理職に就任した。若いアフリカ系アメリカ人で、海兵隊出身のクレンデニンは、明らかによそ者だった。昔ながらのグレーや黒のスーツに身を包んだ同僚たちのなかで、彼のピンクのシャツと茶系のスーツは人目を惹いた。
「私は際立って異質な存在でした」と、彼は回想する。それでも役割上、ゼロックスで何十年と勤めてきた社員も含むチームを指揮しなければならなかったのだ。
直属の部下の一人、トム・ガニングは勤続20年のベテランで、クレンデニンの地位は、若くて専門技能もない新入りではなく、自分に回ってくるべきだったと信じていた。ガニングはチームの中心メンバーでもあった。