クラウドとオープンソースが
ITインフラの汎用性を変える
セミナーの締めくくりは、『日経コンピュータ』の中田敦氏をモデレーターに、仲田氏と堀内氏の3人で「イノベーションはオープンソースソフトウェアから生まれている」と題するパネルディスカッションを行った。
中田氏がオープンソースを取り巻く現在の環境を解説した後、仲田、堀内両氏がそれぞれオープンソースに対する自社の取り組みを紹介。
仲田氏は、Pivotalジャパンがソフトウェア会社であるにもかかわらず、自社のソフトを開発当初からオープンソースとして広く公開する理由をこう語る。
「まずは、製品が市場で認知されるスピードと規模が優先です。対価の回収は後で考えればよいという方針です」
一方、堀内氏は、AWS(アマゾンウェブサービス)の開発過程で各種のオープンソースを活用したこと、現在提供しているAWSのサービスにも、オープンソースをベースにしたものがある点に触れ、「クラウドとオープンソースは切っても切れない関係にあると感じます」と述べた。
モデレーターの中田氏は、昔、ヨーロッパでビール製造が始まったばかりの頃、電力事情の悪さから発電機を持つ工場が競争で優位だったものが、その後の電力インフラの強化で「発電機」が差別化要因でなくなった経緯を例に取り、まさに今、クラウドとオープンソースが電力と同様、ITインフラを汎用的に変えつつあるとくくった。

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「DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー」2014年8月号も併せてご参照ください。この記事の情報は2014年7月10日現在のものです