弊誌2016年11月号特集「未来をつくるU-40経営者」では、40歳未満の日本を代表する経営者20人を紹介した。彼らがいかなる未来像を描いているのか掘り下げるインタビュー連載2回目では、動画配信のプラットフォームSHOWROOMを運営する前田裕二氏に話を聞く。

 一生懸命頑張っている人が、最終的に報われて勝つ社会にしたいという思いがあります。SHOWROOMは、歌やダンスなどで身を立てたい演者がバーチャルライブ空間でパフォーマンスを配信し、それをユーザーがリアルタイムで視聴できるライブ配信プラットフォームです。エンターテインメントの世界は、一部の才能ある人だけが成功すると思われがちです。しかし、SHOWROOMでは、万人受けするようなタイプの演者さんだけではなく、コアなファン層をつくり上げ、月収数百万円を稼ぐ人もいます。彼らは必ずしも歌やダンスの才能だけで人を惹き付けているわけではありません。ファンは動画を配信する人の背後にあるストーリーや成長するプロセスに価値を感じ、共感して応援したいと思い、対価を支払います。

 演者がファンを増やすために必要なことは、配信の回数やコメントでの交流を増やすなど、基本的にはすべて努力をすればできることばかりです。エンターテインメントを生業としたい人たちに、みずからの才能、そして努力を対価にして生計を立てられる場を提供する。そんなプラットフォームを目指しています。