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起業家とビジネスリーダー
起業家はビジネス界での新しいヒーローだ。ロバート・マクナマラは、軍隊で彼の部下だった優秀な「ウィズ・キッズ」(神童)たちとともにフォード・モーターに乗り込み、ゼネラルマネジャーという職務をスターダムにのし上げた。それと同じで、いまやマーク・ザッカーバーグとスティーブ・ジョブズなどの登場によって、起業家はビジネス界の偶像(アイコン)となっている。
私がキャリア開発プログラムに助言を行っているハーバード・ビジネス・スクールでは、優良企業への入社を計画している学生は、たとえ自分で会社を起こそうなどと、つゆとも考えていなくても、「君には起業家精神がないね」と言われると侮辱された気分になるだろう。その理由はわかる。いまの労働市場では起業家精神が高く評価されているからだ。何をしている企業であれ、またどんな規模の企業であっても、非常に革新的で、敏捷で、目先が利くと世の中から見られたいと熱望するものだが、これらはいずれも以前から起業家に備わっているとされてきた資質である。
しかし、いざ採用という段になると、才能ある多数の候補者の中から本当の起業家を見分ける科学的な方法を持っている企業はほとんどなく、ステレオタイプの人材に頼ってしまう。