組織改編を実効性のあるものにするために

 あなたも、会社組織の改編を経験したことが一度はあるだろう。組織改編は会社の価値を引き出すのに打ってつけの方法だ。その3分の2が少なくとも一定の業績改善をもたらしているし、事業環境の変化が激しくなるのに伴い、組織改編をする企業はますます増えている。アーンスト・アンド・ヤングのCOOを務めたジョン・フェラーロは次のように言う。

「いまやどの企業も安穏とはしていられません。すさまじい変化のスピードに追い付くため、頻繁に組織改編をしなければなりません。これをうまくやり遂げる企業が現在の事業環境下でも成長し、明日の勝者になるのです」

 その一方で、完璧な成功を収める組織改編はほとんどない。我々がマッキンゼー・アンド・カンパニー時代に行った調査によると、8割以上が予定した期間内で期待した価値を生むことができず、1割は会社にむしろダメージを与えている。さらに、組織改編によって従業員はとんでもなく悲惨な経験をすることがある。研究によれば、組織改編によって今後の動向が不透明になると、従業員はレイオフ以上のストレスや不安を感じ、約6割のケースで生産性が著しく低下するという。