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国際間あるいは異業種間の企業提携は、今日のビジネス社会では、ごく一般的なことである。企業提携にも、新たな市場で橋頭堡を築くことを目的とした短期的なものから、技術や事業面での全面的な合併へとつながるものもある。
目的や期間がどうあれ、自社が提携相手から見て魅力的な企業であることは、重要な企業資産ということができる。この企業資産のことを「コラボレーション(協働)が生み出す強み」(collaborative advantage)として、ここで論じてみたい。
経済がグローバル化する中で、成果を上げるコラボレーションを創造し、それを維持する能力が高い企業は、それだけでかなりの競争優位を有することになる。
しかし、提携候補を検討する際に、トップ・マネジメントは、そこでの人間関係よりも、財務的な数字を重視しがちである。トップは、提携によってもたらされる将来の利益について株主には熱心に説明するが、その利益をどうやって捻出するかを、マネジャーにアドバイスすることはない。
トップ・マネジメントは提携関係を育てることよりも、コントロールすることに意を注いでいる。結局、提携によってもたらされる「コラボレーションが生み出す強み」というものをうまく引き出せていない。つまりこの資源がいかに重要であるかを見落としている。
いまから3年前、筆者らは異なる国家、文化圏でのパートナーシップを中心として、企業提携の生産性に関する研究を開始した。この共同研究は11ヵ国(アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、オランダ、トルコ、中国、香港、インドネシア、日本)の37以上の企業を対象にしている。
さまざまな企業提携の実態を調査するために、製造業、サービス業において大企業から中小企業までをその対象にした。また、研究成果をより一般的なものにするため、IBM、コーニング、モトローラ、フォードほど知名度は高くない企業もその対象にした。
調査した企業提携の中には、その関係が20年以上続いているものもあれば、業界や国際政治の変更が生じたことにより、最近成立したものもある。提携企業の双方を何度も訪問し、そこの経営者やスタッフとのインタビューは延べ500回以上に及んだ。
ちょうど花が咲いて、実がなり、枯れていくように、提携がスタートし、その成果が表れ、やがてその関係が解消されていく様を何度も見た。この研究によって企業提携には基本的に3つの側面があることが判明した。



