外資系コンサルティングファーム、不動産投資ファンドを経て佐谷進氏が創業したプロレド・パートナーズは、国内はもちろん、海外でも珍しい成果報酬を主体としたコンサルティングファーム。独自のビジネスモデルにより、幅広い業界から支持を獲得し、業績は急拡大。この7月にはIPO(新規株式公開)を果たし、さらに事業展開を加速させようとしている。

成果報酬型ビジネスモデルと
ハンズオン型の実行支援

株式会社プロレド・パートナーズ
代表取締役
佐谷 進 氏

 固定報酬型の料金体系が主流を占めるコンサルティング業界において、完全成果報酬を主体としたコンサルティングファームとして異彩を放つのが、プロレド・パートナーズである。成果報酬型のビジネスモデルに至った経緯について、代表取締役の佐谷進氏は次のように話す。

「このビジネスモデルは、もともとインベストメント型コンサルティングファームを志向した結果、確立されたものです。つまり、経営リソースであるヒト・モノ・カネを当社のリスクでクライアントに先に投入し、中長期的にリターンを得ていくモデルです。起業間もない当社が投入できるリソースはヒト、つまりコンサルタントしかありませんでした。そして、当社が関わるプロジェクトが成果を上げた時点で、我々がリターン、すなわち報酬を得る。それが、当社の最大の特徴であり、強みです」

 コンサルティングファームにとっては、プロジェクト期限が決まっていて、固定報酬を得られる一般的なビジネスモデルのほうがリスクは低い。そして、プロジェクト期間が長引くほど報酬は増える。一方で、クライアントにとっては、短い期間で大きな成果を出したほうがメリットは大きい。利害は必ずしも一致しない。

 成果報酬型であれば、クライアントはコンサルティングフィーなしでプロジェクトをスタートすることができる。それだけで、変革にチャレンジするためのハードルが大きく下がる。成果が出ない限り報酬を払う必要もないので、実質的にはリスクフリーでコンサルタントとプロジェクトを推進することができる。プロレド・パートナーズとしては、早く成果が上がるほど先行投資しているコンサルタントの人件費の回収が早まるので、クライアントとの利益相反はない。まさにクライアントファーストのビジネスモデルである。

 このビジネスモデルは、外資系コンサルティングファームやファンドマネジャーとしての経験が原点にあると佐谷氏は言う。「コンサルタントはプロジェクトの成果に関係なく報酬を得ますが、クライアントとともに目標達成に取り組むことにやりがいがある。一方、ファンドは投資家と一緒に仕事をするわけではありませんが、預かった資産を運用し、高い成果を上げるほど大きな報酬を得ることができます。プレッシャーは大きいですが、そこに仕事の醍醐味があります。両方のいい面を組み合わせたのが、当社のビジネスモデルです」

 単に提案だけして、実行はクライアント任せでは、成果報酬は得られない。このため、プロレド・パートナーズは成果が出るまでハンズオン型で実行を支援する。「クライアントと一緒にプロジェクトに取り組み、継続的な成果が出るまでコミットするのが我々のスタイルです」

 実際には短期間で成果が上がることは少なく、必然的にクライアントとの付き合いは中長期にわたり、リレーションシップは深まる。成果が出て報酬を得るまでに1〜2年かかることも多いという。成果が出て初めて報酬が発生するモデルであるため、コンサルティングフィーに対するクライアントの納得感は高い。